はじめに
乳幼児期に受けなければならない予防接種はとても多くなっています。予防接種の正しい知識を知り、こどもたちを病気から守りましょう。
日本小児科学会では、「知っておきたいワクチン情報」というページを作成しています。
予防接種ができない場合
予防接種に注意が必要な場合
生後2か月からの予防接種
ロタウイルス
ロタウイルス胃腸炎は3~5月に流行し、乳幼児の約40人に1人の割合で重症化し、まれに脳症を発症します。胃腸炎関連けいれんの原因にもなることもあります。ロタウイルス胃腸炎は複数回罹患することがありますが、初回と2回目の感染時に重症化しやすいです。ロタウイルス予防接種をしておくと、初回の免疫をつけることができ、感染した場合でも症状が軽くすむことが期待されます。
現在施行されている予防接種でロタウイルスワクチンのみ口から飲みます。少量口から入っただけでも腸内で増殖し免疫はつくとされているため、飲んだ後に吐き出した場合でも飲み直しをすること不要とされています。
2回内服のロタリックスと3回内服のロタテックがあります。1回目の内服を生後14週6日までに行うことになっています。1回目と2回目、2回目と3回目はそれぞれ4週以上空けます。
B型肝炎
2016年10月から定期接種となりました。B型肝炎の予防は小児も成人も含めてすべての人が対象です。1歳までに予防接種を終えるととても良い抗体が獲得できることが知られています。B型肝炎は感染しても自覚症状がないことも多く、将来重篤な肝炎や癌の原因になることも知られています。生後2か月から同時接種ですすめていきます。2016年10月以前に生まれた方で、B型肝炎予防接種を受けていない方は任意接種にはなりますが、小児期に接種することが望まれています。ご相談下さい。
ヒブ・肺炎球菌
髄膜炎の起炎菌として問題になっていましたが、定期予防接種開始後は髄膜炎の頻度が激減しています。生後2か月になったらなるべく早く接種することが望まれています。
4種混合
諏訪市では集団接種で行っています。小学生で百日咳の流行がみられており、赤ちゃんを守るためにはなるべく早期の接種が望まれています。個別接種を行っている地域では生後3か月から開始しています。集団接種では元々初回接種が遅れてしまっているため、更に遅れることがないようご注意下さい。
2023年2月23日更新:諏訪市でも2023年4月から個別接種となります。また4月以降に初回接種を行う場合は生後2ヶ月から開始となります。
BCG
結核に対する予防接種です。諏訪市では集団接種で行っています。接種後早期に腫れたり膿んでしまうことがまれにあります(コッホ現象)。その際はご相談下さい。早く個別接種化になることが望まれます。(2023年2月23日更新)
1歳からの予防接種
0歳代の予防接種はすべて終わっていますか?1歳になると予防接種が再開されます。標準スケジュールでは、「ヒブ4回目」、「肺炎球菌4回目」、「麻疹風疹」、「水痘(1回、2回)」、「おたふく(任意接種、自費)」を行います。以下のチェック項目で1歳からの予防接種ができるかどうか、母子手帳をみながら確認してみてください。
①ヒブ4回目
②肺炎球菌4回目
ヒブ4回目とほぼ同様の条件で接種していきます。通常のスケジュールであれば、3回目の接種から60日以上あいており、1歳になていれば接種できます。スケジュールが不明のときはご相談下さい。
麻疹風疹、水痘、おたふくは生ワクチンになります。水痘は6か月以上あけて2回接種します(最短3ヶ月以上あけて接種可ですが諏訪地域は6ヶ月あけることを推奨されています)。おたふくは任意になっており希望者のみ接種することになっておりますが、小中学生でおたふくに罹患し重症化したり重篤な合併症の心配もある疾患であるため、接種することをおすすめしております。