アレルギー疾患について

食物アレルギーを持つお子様の離乳食の進め方について

「はじめて乳製品や卵をあげたら蕁麻疹が出た」というご相談をいただくことが多いです。原因が何であっても蕁麻疹については自然に軽快することがほとんどであり、症状が強めであっても抗アレルギー薬の内服でおさまることが多いです。但し、アナフィラキシーショックという緊急対応が必要な時もあるため、アレルギー症状がでたら、まずは病院、クリニックに向かうというのが良いと思います。

当院では順番予約、時間帯予約を基本とし、「待ち時間が見える」対応をしておりますが、じんま疹、喘息、嘔吐、ぐったりなど緊急性の高いときは「順番を前後して診療」しております。何でも大丈夫ですので、困ったことがあれば電話でご相談ください。また、早朝、昼休み、夜間、休日などクリニックの電話が留守番電話になってしまう時間帯がありますが、当院受診歴のある方については診察券の裏面に記載されている「時間外対応電話番号」にお電話いただければ、直接院長と相談することができます。時間外電話に関しては「相談内容をはっきりさせるため」、「折り返し相談できるようにするため」、「カルテと照合できるため」、などの理由のためにできるだけ保護者の方の電話登録をさせていただいております。詳細は受診時にご案内することができます。診療時間外も困ったことに対応することで、当院かかりつけのお子様たちが心配なく過ごせる環境を提供できたらと考えて行動しております。尚、普段の様子を全く把握していないお子様全てに対応することは難しいので、時間外電話対応は当院かかりつけの方に限らせていただいております。また、運転中、入浴中などはすぐに出ることが難しいことがありますが、できるだけ早く折り返しの電話をさせていただいております。

アレルギー症状が落ち着いたあと、考えなければいけないことは、「何に反応したのか?」、「離乳食の進め方はどうすれば良いのか?」ということだと思います。最近の研究で、生後3~6か月の離乳食開始前の乳児でも血液検査を行うと卵、牛乳、小麦などにすでに反応がでているお子さんがいるということが分かりました。口からではなく皮膚を通じて体に取り込まれ反応しているということになります。アトピー性皮膚炎があって皮膚のバリアが破たんしているところがあると、アレルギー反応陽性者が多いことも分かりました。食物アレルギーの治療を考える場合、アトピー性皮膚炎様の皮膚になっている場合は皮膚の治療も当院では力を入れて行っております。皮膚疾患であれば皮膚科を受診することも良いとは思いますが、小児科でアレルギー疾患の一つとして総合的に治療していくメリットは大きいと考えております。皮膚疾患も当院受診をご検討いただけると幸いです。アレルギー検査について、他院で血液検査をしても意味が無いから少量から食べてみて、と指導されたとして相談される方が少なからずいらっしゃいます。小児アレルギー学会からは、3歳未満の食物アレルギーは半年毎の血液検査での評価が推奨されております。食物除去を行う場合でも「必要最小限の除去になるように」、「摂取再開するときは安全に食べられるように」、血液検査での評価は必要だと考えております。月齢問わず当院では検査可能ですのでご相談ください。

離乳食開始前から皮膚を通じて反応はしているため、離乳食を進めたからと言ってアレルギーが悪くなるとは言えません。むしろ、症状なく食べられる量を食べていった方が体が慣れて(耐性獲得)、食物アレルギーが改善する可能性があります。その際には、実際にアレルギー症状が出現しない摂取量はどのくらいなのか注意しながら進める必要があります。自分の判断で行わず、医師と相談して食物除去の解除を進めることとなります。症状の強い方に関しては、諏訪赤十字病院、諏訪中央病院、岡谷市民病院に「食物経口負荷試験」を依頼することができます。安全に食物除去の解除を目指す方法となりますので、保護者の方と相談し、最適な時期に2次病院へ紹介するようにしています。

こいけこどもクリニック